寡聞にして知らなかったのですが、ペーパークラフト系のデザイナーにポール・ジャクソンという人がいるのですね。で、その著作を邦訳で見てみました。
まず一つは、『幾何学パターンづくりのすべて』(松尾晴喜訳、ビー・エヌ・エヌ、2022)。
副題に「リピートパターン制作ガイド」という文言が入っているように、タイポグラフィや比較的単純な幾何学図形を、リピート的にたくさん組み合わせることで、意外な形象ができあがるさまを、いくつも示してくれます。いいですね、こういうの。全体を貫いているのは、過剰さの美学とでも言いますか、ある種の過剰性が、豊かなアセットをもたらすという実例です。
実際、ツイッターなどに掲載されるProcessingやp5.jsでの映像作品などでも、タイポグラフィを大量に重ね合わせるなどの作品はときおり目にしますが、意外なかたちが出てきたりして、とても面白いものがありますね。
もう一つは、『<折り>の設計』(松尾晴喜訳、ビー・エヌ・エヌ、2018)。
こちらは基本的にペーパークラフトの「折り」の技法をまとめたものですが、これもコーディングでの絵にも応用できそうです。図形の折り込みは、GLSLなどでも重要な要素です。こちらもただ眺めているだけでも楽しいので、おすすめです。